ロシアへの道 〜ユーロカービング2〜

2013年にロシアで行われた欧州カービングチャンピオンシップ2に参加した際の
出来事を11回に分けて書いたブログ記事。
それを一ページにまとめました。

めっちゃ長文ですが、よろしかったらお暇なときにご覧ください。

〜プロローグ〜

2012年のC6アメリカ遠征に続き、またも一週間お休みを頂くことは誠に
申しわけない思いでいっぱいでしたが・・・・・

世界中から集まるシェフ達の素晴らしい仕事と
作品の数々を間近で見ることができることを想像すると
参加したいという自分自身を止められませんでした(^_^;)

私は日本から単身出場するのですが
せっかくなので、精一杯日本の飾りぎりを駆使して頑張る決意で出かけました。

出かける前に色々調べたところ、
カービング大会が行われる会場では、各部門別の料理コンテストも行われ
各国の行政機関や企業が食材関連のブースを出展する
欧州・ロシア最大級の食品見本市「PIR2013」が
開かれることを知りました。

選手権参加者は見本市の入場券を
無料でもらえるとのことでこちらも申請しました。

私はロシア語全く分かりませんし、ロシアでは英語も
あまり通じないそうで、不安はもちろんあります。しかし・・・

食品見本市や他の料理コンクールも沢山見学しつつ
世界(主にヨーロッパ)各地のシェフたちの技を
しっかりとこの目で見て
今後の仕事につなげて行きたいと思い、出かける決意をしました。

    

その1〜 決意

2013年4月ごろ、第2回大会「EURO CARVING CHAMPIGNONSHIP2」が
同年10月にロシアで開催されるということを知りました。
とても気になったので、「ヨーロッパチャンピオンシップという大会名だけれど
日本人でも参加できますか?」と
問い合わせメールをしたのが最初でした。

大会3ヵ月前ごろに、履歴書等を主催者側に送り
待つこと数週間。
無事参加登録が受理されました。

しかし、ここからが大変・・・・
ロシアへ入国するには「入国ビザ」が必須ということを知りました。

詳しく調べたところ、ロシアへ旅するには 
「ビザ申請書」
「バウチャー」
「証明書用写真」
が必要ということがわかりました。
本当はこういうことは大会参加を決める前に
調べとくべきでした・・

「バウチャー」とは、いわゆる「招待状」で、
通常は、ロシアの旅行会社または日本の旅行会社が発行するもの
らしいです。

ロシアは入国者管理が徹底しているので、滞在者の移動ルートなども
原則的にすべてこのバウチャーを見るとわかるように
なっているらしく、これが自由旅行するには難しい国と言われる所以です。

僕の場合は、大会主催者側にバウチャーの発行を
お願いしたら、作ってくれました。
といっても、実は当初から、主催者のほうで参加者全員に招待状を作る、と
大会のHPに書いていたのですが
この「招待状」が「バウチャー」のこと、だと分かるまで
かなり時間がかかりました。(笑)

そしてこのバウチャーと共に、
ロシア大使館のホームページ上に用意されている
住所氏名、パスポート番号や身元、職業などを記入し
出来上がる「ビザ申請書」を印刷し、用意します。

最後に身分証明書・・・・これはうちの近所のスーパー前に
設置されている身分照明写真機で写真を撮りました。

・・・これで書類が揃いました。

事前に領事館のホームページで開館日&時間を調べ
いざ!ロシア領事館へ出かけました。
大阪にロシア領事館があって本当に良かったです。

20代の頃、JICAに勤める友人に会いにケニアへ
旅した際、ビザ取得のために東京のケニア大使館まで
出向いたことを思い出しました。

さて当日。
領事館へ着くと、周辺には警護のおまわりさんが数人と
警察車両・・・

そうか、ここの塀の中はロシアなんや・・と実感。
入口に向かうと、立っていたおまわりさんが

おまわりさん「ビザの申請ですか?」

僕:「はい、そうです!」

おまわりさん:「すみませんが今日は領事館休みなんです」

僕:「えっ?ホームページで調べてきたんですが・・」

おまわりさん:「ホームページの記載が間違っているので、すみません」
とのやりとり。

う〜〜む、日本ではありえないことです(笑)
その日は帰って、日を改め、
おまわりさんに伺った開館日にあわせて
再度出かけました。

館内に入り、背の高いロシア女性に書類を渡すと、
女性はガラス窓で仕切られた広いオフィスの向こうへ
入っていきました。
反対に、申請する側の待合室はほんっとに
狭いです(笑)

待つこと数分・・

オフィスから戻ってきた彼女は
「2週間後に取りに来てください」と
言いながら、手書きの小さなメモ書きをくれました。
申請はすごく短時間で、スムーズに終わりました。

2週間後、再度領事館へ行きました。
待合室は数組の申請者ですごく込み合っていましたが
もらっていたメモ紙をスタッフの方に渡すと
待つこと2分くらい?でしたか・・

無事ロシアビザを取得できました!




これは序章で、まだまだ難題は続きました(汗)


その2〜

カ−ビングチャンピオンシップは 個人戦3日間、団体戦1日の計4日間で行われますが
私は単身ロシアへ渡るので個人戦3日間のみエントリー。

当初は個人戦3日間が終ればすぐ帰るつもりだったのですが、
競技結果発表を聞きたかったし、大会の華でもある団体戦を
見て帰りたかったので、全日会場入りすることにしました。

個人戦スケジュールは以下の通り。
初日テーマ 「ハロウィン」(前もって作ったものを持ち込んで飾るルール)
2日目テーマ 「立体の鳥 」(制限時間:3時間)
3日目テーマ 「2個のスイカと2個のパパイヤ」(同じく3時間)

初日のハロウィンは野菜をある程度彫っておき
日本から持ち込み、
到着日にホテルで彫り仕上げ、翌朝会場に設置するという計画を立てました。

ロシア入国当日は、夜にホテルに着くので
全部あちらで仕上げるのは無理なので
ある程度は日本で仕上てから運ぶ作戦・・・・

調べたところ飛行機でのロシアー日本間は
野菜持ち込み自由だそうなのですが

持ち出す野菜はきちんと日本を出る前に
申請書類を作っておいたほうが無難、との
植物防疫所の職員さんのお言葉に従い、
野菜ひとつづつを用紙に記入。

検疫申請用紙に氏名住所をはじめ、搭乗する飛行機の便名、
日本から持ち出す、各野菜の学名や
産地などを細かく記入します。

私の場合は早朝便での日本出発なので、当日朝に
検疫を受ける時間がなさそうなので、
前もって天保山にある検疫出張所へ
野菜と申請書を持ち込み、事前に許可申請をすることにしました。

そして、休日にあちこち野菜を買いに走り回ったあと
植物防疫所へ野菜を持ち込み、待つこと10分。

無事、英文の持ち込み許可書を作成してくれました。
終始丁寧に対応してくださった職員の方々、本当にありがとうございました。
IMG_2440

野菜重量約11キロ・・・・国際線で運べるのは20kgなので、かなりここから
削って行かねばなりませんが、やるしかありません!

その3〜   モスクワ税関にて

いよいよ出国日当日。

中国国際航空にて北京経由で
モスクワのシェレメチェボ国際空港へ向かいました。



トランジットで降りた北京国際空港はものすごく広い!
とりあえず「国際線乗り換え」の表示を頼りにプラットホームを
移動・・・ロシア行き搭乗口へのバス停前でずいぶん長い持間
待ちました。
本当にここであってるのか?間違ってたら大変・・・・
そんな思いがよぎり不安になりましたが、周りの乗客は
ほとんど中国人とロシア人のようで、人に尋ねられる雰囲気もありません。

ずいぶん待っていたら、続々人が集まってきて、ようやくバスが来て
無事に飛行機に乗り込みました。

そしてついにモスクワのシュレメチボ国際空港へ到着!
この空港へ来たのは実は2度目です。
前回はちょうど20年前、アフリカのケニアへ旅した際に
トランジットで立ち寄ったのですが
当時はまだソ連でした。

到着後、入国カードに記入し、審査を待つ長い行列につき
気長に待ち、無事に入国しました。

そして私にとっての最初の関門とも言える税関へ・・・
生野菜は申告義務があるので、赤色の看板「申告アリ」へ
向かいました。

座っていた係りの女性職員に、日本の植物防疫所で頂いた
英語で書かれた植物申請書を手渡しました。



この紙を水戸黄門のように見せたら
すんなりいくと思いきや・・女性は英語がわからず
もうひとり男性職員を呼びました。

むむ・・・・なにやら険悪ムード・・いやな予感がする・・

この方はロシア語で色々質問してきたのですが、どうやら
「なぜ野菜を持ってきたんだ?サンプルか?」と
いう感じのことを言っているようでした。

僕はカービング用だ、展示用だ、と英語で説明しましたが
通じません。
彼は「ドイツ語話せるか?」と聞きました。
・・・話せるわけないやん(笑)

彼らはさらにまた人を呼び、今度は腰に警棒をぶらさげた
大柄な男性が現れ、申請書を読みました。

しばらく見つめたあと
「ダメだ、スーツケース開けて中を見せなさい」との指示。
言われるままに、スーツケースを開け、野菜をいれたダンボール箱を
取り出しました。

さらにダンボール箱も開けさせられ、かぼちゃを取り出しますが
しっかりリードとラップで包んでいたので、中は見えません。
彼はそれを手に取り、振るとカラカラと音がしました。
(中にはさらにマトリョーシカ風に作った、4つのかぼちゃ細工が・・)

ますます怪しがった職員は、ラップを外すように命じました。
僕は言われたとおりラップをはずし、彫り込んだなまはげ風の顔を
見せると・・




職員は一斉に「な〜んだ、こういうことか」と口々にロシア語で
話しだしました。

僕は壊れず無事運べた安堵感もあり、こうなったら黙っておれません!
さらにかぼちゃの蓋を開け、中からかぼちゃを取り出し
「こんなふうにマトリョーシカ風になってるんですよ!」
「そして中にはさらに小さなかぼちゃが・・」と
プレゼンを始めると、職員は
「わかったわかった、もういいからしまいなさい」と言いました。(笑)





全部元通りカバンになおすと、彼は「ついてきなさい」と言い、
まだ混雑していた税関の行列をすっとばし、直接外まで
案内してくれました。
実はいい人なのかも(笑)

その後、両替所を探したのですが、既に夜だったため
空いてるところが見つかりません。

うろうろ探すこと20分・・ようやくありました!
持ってきたUSドルをロシア通貨のルビーに換金。
(円→ルビーに換金するよりも、円→USドル→ルビーに換金する方が
手数料が安いらしいので、あらかじめドルを用意しておいたのです)

そして、いよいよ主催者側が用意してくれていた
モスクワ市内のホテルへと自力で向かいます。

その4 モスクワ移動



シュレメチボ国際空港から、モスクワ市内へはタクシーを利用することもできますが
その分費用がかかるし、なにより、せっかくロシアまで
来たのだから鉄道、そして地下鉄とモスクワの生活観を
感じたいと思い、あえて電車でのルートで行きました。

まずは空港から市内へとつながる
高速鉄道へ。




事前に日本を出る前、ネットで調べて
高速鉄道のチケットは自販機で買える、と知っていたので
これは手順どおり買えました。
こちらがタッチパネル式のチケット自販機。
言語選択もできるようになっていました。

チケットは紙で発行され、改札機にバーコードをかざすと
通れる仕組みです。 一人320ルビー=現在のレートで約960円。





高速鉄道「Aeroexpress」の乗り心地は快適そのもの!
所要時間40分ほどで市内の地下鉄(メトロ)環状線の主要駅である
ベルースカヤ駅に到着。
駅を出て、メトロ(地下鉄)の駅を探したのですが、見つからず
かなり焦りました・・・
しばらく探したところ、すぐに見つかりました!
標識が小さく見過ごしていたのです。

メトロの自販機で切符を買います。対面販売の切符売り場もあるのですが
ロシア語ができないので、こちらのほうが無難です(笑)




切符を改札機にかざし、地下へ延びるエスカレーターへ。
モスクワのメトロのエスカレーターは異様なまでに長く、
スピードが速い・・・慣れるまで怖かったです(汗)

地下鉄の標識はアルファビート(ロシア語)のみ。
英語表記がないのでめっちゃ緊張しました。

さらに、各駅のプラットホームには、目立った駅名も
書かれていないので、聞き取りづらいアナウンスと
車内の電光掲示板が頼り・・・
古い車両だと掲示板すらありません(汗)

路線図を覚えておき、目的地までの駅の数を暗記しつつ
駅に止まる度に確認し、予定の駅らしいところで降りました。

さらに今度は、環状線を降りて、乗り換えですが
これまたわかりにくいのです。



幸い、メトロは路線ごとに色分けされているので
乗り換え口を探し、エスカレーターで移動した後は
目的地の方角へ向かう電車に乗り込みます。

日本を発つ前にキリル文字はそこそこ覚えていたので
なんとか乗り切ることができました。
ロシアへ旅される方は是非文字だけでも覚えられると
随分と楽になると思います^^

無事にホテル最寄の、「ВДНХ 駅」に到着!
後は徒歩15分くらいとのことで、印刷してきた地図を見ながら
歩きました。

外は雪がちらついていましたが、かなり緊張していたせいか
寒く感じませんでした。

あ、あれかな? いやあの建物かな・・・
おかしいな・・・
やばっ・・・、道にまよったかも!?

しかしここで、日本から持ってきた海外用レンタルモバイルルーターを
思い出し、電源を入れました。
設定が終ると・・・・・・
おお!現在地からホテルまでのmapがiphoneで確認できるや
ないですか!
これは本当にすごい。後の最終日までこの地図は重宝したので
海外行かれる方はお勧めです。
心の中で友人に感謝・・・・Cuちゃんありがとう!

地図をみながら、方向も確認・・・・間違いなくあの建物だ!





え〜っと・・・ずヴぇすど・・・なや・・・・
ズヴェズドナヤホテル、ここだ!
予定より遅れて、夜9時すぎに無事到着しました。
この瞬間はうれしかったです。

?



中に入ると守衛らしい人が奥を指差したので
その方向に向かうと、フロントがありました。

無愛想な受付の人に、書類を渡し、待つこと10分・・・・・
部屋のカードキーを渡されました。
1322・・・・13階か。眺めよさそうだ。
部屋に入ったらまずベッドで横になろう・・・・

古そうなエレベーターで13階に上がり、部屋を見つけ
カードキーで開けました。

そこで思わぬ光景が!
若いロシア人2人がすでに部屋に居て、声をかけてくれたのです。

その5 モスクワのホテルにて

すでにホテルの部屋にいた若者の名はユジー二とアレックと
いいました。
「おおー、友よ、どこからきた?日本?
俺たちの部屋へようこそ!4日間頑張ろうぜ!」という
陽気で元気な挨拶をしてくれ、握手を交わしました。
なんと、主催側が用意したのは3人部屋だったのです。
これには面食らいましたが、彼らは僕が持ってた
ロシア人のイメージを根底から変えてしまうような、
底抜けに明るい、優しい人物で、彼らのおかげで
私のロシアでの日々はとても充実したものになりました。

さて、部屋を見渡すと見たことないような超でっかいかぼちゃや
ピーナツかぼちゃ、そして巨大人参がゴロゴロ・・・・
さらに、部屋のあちこちに巨大野菜や作りかけの彫刻が
転がっていて・・・・
日本からの長旅の疲れも吹っ飛ぶ光景でした。



かぼちゃの断片を手に取ったアレックは、
僕の名前をかぼちゃに彫ってくれました。



聞けば彼らは、明日の展示に向け
徹夜で彫るというじゃないですか!!
僕もまだまだ仕上げなければいけない彫刻があったので
一服することなく、彼らと共に
仕事に取り掛かりました。
私にとっては42歳にして、まるで初の野菜カービング合宿 !(笑)

翌日はいよいよ本番。

「ユニフォームは白いものを要着用」、という指令が出発前日に届いたため
急遽20年ぶりにタンスからだしたコック服と
偶然出てきた、父の割烹帽を
わずか数時間で新品のように仕上げてくれた
友人のマルエクリーニングのH君

(初日以外は普段着ている割烹着にしました)
ハロウィン模様の素敵なテーブルクロスを貸してくれた
SW仲間の三島さんに感謝しつつ・・

翌日の準備をし、気がつけば深夜4時。
体力の限界がきたので、眠りにつきました。

その6 個人戦1日目 ハロウィン

夜が明け、いよいよ競技初日をく迎えました。
朝はホテルから会場まで、競技参加者だけが乗る
専用バスで向かいます。
バスへの集合は7:00am。
ホテルの朝食は間に合わないので、毎回空腹(笑)。

バスに乗り込むと、中は参加者ですでに超満員!
バスが音を立てて出発すると、関係者らしき女性が前に立ち
ロシア語で話しつづけ、それに呼応し
あちこちで威勢のいい声が上がります。

何を言ってるのかまったくわかるはずもなく
とにかくすごい雰囲気でした。
これからどんな滞在になるのか、不安の中にも
20代の頃に、一人で飛び込んだカナダへ料理修行時のことを
思い出していました。
やってやれないことはないはず・・!
曇り空の中、渋滞もあって
約40〜50分ほどで会場に到着。


広い、大きい!
あとであちこち見て回りましたが、おそらく
インテックス大阪の全館くらいの広さは余裕でありました。




我々のイベントの主催は地元ロシアのCARVING ACADEMY、
後援はworld association of chefs societies(世界シェフ協会)
スポンサーはMETRO(地下鉄運営会社)ということもあり、
競技会場は会場内のほぼ真ん中の
一番目立つ場所に位置していました。




初日テーマは「ハロウィン」。ホームワーク課題なので
各々用意し、持ってきた野菜を飾ります。
早速日本から持ってきた自分のかぼちゃを
セッティングしながら周りを見渡すと・・・・
まず、とにかく皆さん、野菜が大きい!!!
それに、テーブルセッティングも台やクロス、
葉に木材など、皆さんとても凝ってます。
これは決定的な違い・・大迫力です。



参加者の作品はこんな感じです。

こちらは台湾出身の、Yangさんの作品。
初日の優勝を飾られました!
これ、本まで野菜なんですよ。素晴らしい!
若い方なんですが、この技術は本当にすごい・・
同じアジア人として彼の金メダルを誇りに思いました。


これどなたの作品かわからないのですが
めっちゃでかいです。
まるで木彫り!
接着剤の使用が許可されているので
このような大型作品が並びます。




これはもう色々乗っていて凄いの一言。
でも細かいところも凝っていて、わざと腐らせて不気味さをあおった
かぼちゃのガイコツっぽいものもありました。



友人のアレックの作品。これも大きい!
なるほど〜、部屋にあった大きなかぼちゃがこんなになるとは!
全体的にあちらのハロウィンは、ちょっとホラー系の
ものが多かったですが、そういったイメージなんでしょうね。




正直、私の作品のボリュームで
これから三日間、はたして勝負になるのかな・・・と一瞬不安になりました。
私の作品はこんな感じで、ほかの方のと比べると、こじんまりしています。



各日ごとに表彰式があり、入賞者が発表されます。
メダル受賞者の名前が次々と呼ばれる中、
私の名前は呼ばれませんでした。

マトリョーシカのようにかぼちゃの中に
かぼちゃが入る、というアイデアでしたが
審査員の皆さん、そのあたりは気づかれなかったようです・・

しかし、なんとなく雰囲気には慣れてきました。
よ〜し、明日また頑張ろう!



同室の二人も同じ思いだったようで、「また帰って練習しよう!」と意見が一致。
帰りにスーパーに立ち寄り、たくさんの野菜を購入。

モスクワはスーパーの陳列も全てビッグサイズ!
スイカは少し砂がついたものがゴロゴロ売り場に
置かれています。


買い物を済ませて、部屋にもどり
パンをかじりながら、また徹夜で練習に励みました。
同部屋の職人二人は20代、体力あるはずです!
僕はやはり限界がきたので、夜中3時に寝床へ・・・
3時間ほど寝ました。

そして明け方、またバスで会場へ。

〜その7 個人戦2日目 鳥部門

競技2日目のテーマは「3Dの鳥」。

初日と違い、2日目と3日目は事前に
主催者側が食材を用意してくれます。

この「3D Bird」というテーマは
日本にいるときから、すごく悩んだテーマでした。
大会参加を決めた当初は
白鳥を数羽作る予定で、ホームセンターで材料を購入し
背景を含めたセットまで自作し
何度か練習しました。
(こんな感じに・・・)



しかし、何かが違う・・・・

しかも、これらのセットをスーツケースに入れると
初日に持っていくかぼちゃ等野菜が
荷物にはいらない・・・・

色々考えた末、セットを持参することを止めました。


さらに、遠く日本から参加するので、
もっと和風を全面に押し出すべく、最終的に作戦変更。
いつもお店に来てくれるお客様、小田部君の一言をヒントに
日本っぽさを前面に出した、「鶴」で勝負に出ました。


厳寒の中、生命を謳歌する2羽のツルを大根とかぼちゃ、ラデッシュで作り
雪景色を大根のケンとみじん切りで作りました。
さらに雪に隠れて、もうすぐ芽がでそうな野花と蕾、草を
その他の野菜で表現することを試みました。

制限時間いっぱいまで全力でやり抜き、
思い描いた図にかなり近いものが出来上がりました。

3時間もの間、野菜彫刻を作ることだけに集中できる・・・・
そして周りにいる同士達も同じことを考え
ひたすら野菜と向き合っている・・・

今考えても、なんとも濃密で贅沢な3時間でした。

以下は世界のカービング職人達の作品。
やはり素晴らしいものばかりでした!
みてるだけでも楽しい^^


あと、皆さん野菜以外の飾り付けの技術も
相当普段から勉強されてるのだと思います。




そして表彰式での結果発表・・・・私の名前は呼ばれませんでした(o ><)o
しかし、手に入る食材の中で、持てる力を
限界まで出し切ったので、全く悔いなし。
お客様の数名が声をかけてくれました。いずれもロシア語なので
分かりませんでしたが、「あなたの作品に感動した」という
ご婦人のお気持ちは伝わり、うれしかったです。
一度審査員の意見を伺ってみたかったので
勉強のつもりで、あれこれ伺ってみたところ。。。。
まず、作品は上から下まで、(例えば木や岩から鳥まで)
野菜で一貫して繋がったものが
望ましく、竹串を使って浮かせるような作品は評価の対象外、とのことでした。
彫刻=銅像=スタチューのイメージなんですね。

僕は空を飛ばせるように見せる際、竹串を普段から
使用しているので、この考えは意外でした・・・
そして、君の作品はシンプルすぎる、とも指摘を受けました。
私は本物の鶴に似せるように、
さらに大根の透明感と
薄く切った大根の皮が自然と描くカーブを
羽の動きに反映させようという思惑でしたが
他の競技者の皆さんの作品はそれぞれかなりデフォルメし
羽の一枚毎凹凸のはっきりした、まさに3Dの鳥なんですね。
私も自己主張してみたかったので・・

雪景色の背景も含めて、
作品すべてが3Dなんですよ!と
お伝えしすると、ある程度意図は理解してくれましたが
そういう競技ではないんだ、とのこと。
それはそうですよね(汗)
あちらでは、作品作りに接着剤も使用するのは、木彫りなど
その他の芸術と同じ位置づけなのだと感じました。

そして、ホテルやレストランの入口にどーんと
飾り付けておく彫刻。
私の場合はあくまで料理の延長で、お皿に添えて
お出ししてるスタイルなので、接着剤は
使わず、普段通り作りました。
野菜カービングについての考え方の違いも
大きく、なるほどな〜、とたいへん勉強になった一日でした。


〜その8  個人戦3日目

いよいよ競技も3日目・・・個人戦の最終日。
課題は「スイカ2個、パパイヤ2個」を制限時間3時間で
仕上げるというものです。

とても繊細で、豪華で美しい作品が並びました。

台湾のYangさんの作品はこの日もキレキレ!
繊細かつとてもユニークで、多くの人だかりが
できていました。
しかもボリュームがすごい。

大会2度目のメダル獲得!!
まさにアジアのA New Hopeです!






?
こちらは、同部屋でお世話になった
友人ユジーニの作品。
彼はいつも自然体。この日も競技が始まる前
緊張することもなく、冗談を言ったり、
ぶらりと企業ブースを見学してました。
競技が始まってからは、丁寧に確実に、留まることなく流れるように
彫り進め、いつの間にか綺麗な作品が出来上がっています。
カービングに彼そのもののスタイルが出ていて
すごく清い作品を作られます。
う〜〜〜ん、美しい!
彼、普段はレストランで働いているそうですが
美味しい料理を作れることが想像できます。
銅メダル獲得、本当におめでとう!!!!
他にも40近いテーブルに美しいフルーツの華が並びます。
タイカービングは700年前から続いてると言われますが
まさにその歴史を受け継ぎ
世界各地で、切磋琢磨されていることがよくわかります。




そして、こちらはタイ出身の方の作品。
息を呑むほどすごく細かくて、一つ一つの
花びらが同じ大きさ・・これは圧倒されました。

そして、作品全体にお国の雰囲気がみなぎっています。
さすが微笑みの国!、カービングの母国!
たしかこの方が金メダルです^^
おめでとうございます!




大会の趣旨はフルーツで花を作る、いわゆるタイ風カービングですが
僕自身は残念ながらタイカービングの経験がありません。
競技に参加することを決めてから、専用ナイフを買い
3ヶ月近く練習したのですが、綺麗な作品をつくれるまでにはとても
至りませんでした。


とにかく最終日・・・・駄目もとで、今日は思い切り楽しもう♪
と思ってスタートしましたが、いざ始まると
またもや必死・・・に(笑)
「げっ、スイカの皮が日本より硬い!」
「しまった、ペティナイフ忘れた! 細いカービングナイフだけで
完成させねば・・・」
「このパパイヤめっちゃでかい!
しかも外皮は青いのに、実は日本のパパイヤよりやわらかい!(◎_◎;)」
「全部できなくても、もともと苦手やし仕方ないな…」

「いや、まだまだいける!」
「手がもうつりそう・・」
「いいわけ考えてないで、最後まで諦めずやり抜け!」
と自問自答。
スイカ
〇今年も友人たちと訪れた、
思いで深い地元の「大阪城」と桜

〇第二次大戦下にロシアから日本に亡命し
日本で最初のバレエ教室を開かれ、
慰問先の中国でなくなられた、「エリアナ・パヴロワ」さん。
ロシアに行く前、彼女のことを知り関連書籍を読んで感銘をうけました。
僭越ながら、もう一度彼女をロシアに、という思いで作りました。

パパイヤ
〇かけ橋の意味を込めた「橋」
今年フィンランドからお店にお越しくださったElinaさん、Denisaさんに
海外で野菜彫刻を作ることについて
助言頂いたのですが、その際にこれに決めました^^

〇仏像彫刻
私は仏像が好きで、事あるごとに、京都や奈良に足を運んでいます。
今回ロシアへ行く前は東寺へ仏像を見にいきました。
パパイヤのお堂の中に仏像を彫り込み
種を背景に見立てています。

春、夏、秋、冬をテーマに
スイカ2つ、パパイヤ2つをほぼ作り終え、
テーブルを綺麗に片付けてから、箱を台に仕立てその上に
テーブルクロスを敷き、盛りつけにかかります。

最後にパヴロワさんの帽子に、人参で作った
蝶を乗せて、残り時間ジャスト0秒!!で終了しました。

最後の最後までやり抜いた達成感と、事実上競技が終わったという
なんともいえない脱力感で、疲れとはまた違う
ポワ〜〜っとした感覚でした。

1秒ごとに全力投球のような、無我夢中の3時間。
練習よりうまくいったものも、いかなかったのもあり・・・・
その後、長い審査のあと
結果発表の時間になりました。

審査員のマイクを通し、まず4位の友人アレックが呼ばれました。
彼は初日から私の度肝を抜く迫力ある作品を作っていましたし
友人の受賞が本当にうれしかった!

ハイタッチして興奮状態で彼を迎えました。
その後に「イポーニッツ(日本の・・・)」と声が聞こえて
私の名前が呼ばれました。

ええっ?ほんまかいな!?という感じでした。
会場のあちこちから拍手が聞こえる中、
同じく4位の表彰状を受け取りました。
日本でFBを通して激励してくださった皆さん、
快く日本から送り出してくれた家族、お客さまの
おかげで、頂いた賞だと思っています。

初日隣の席だったロシアの方と記念撮影。
毎朝挨拶を交わし、いつもニコニコされて
物腰穏やかな素敵な方でした。



こうして自身の人生で初めてのカービング大会
参加を終えました。
翌日は国別の団体戦・・・同僚の応援にまわります!


〜その9 チーム戦とモスクワの夜景とレストランと

カービング大会四日目の最終日は国別の団体戦で
僕は出場しないのですが、同僚の応援に向かいました。
自分が競技に参加している最中は、脇目も振らず
野菜に集中していたのですが、今回は参加者が
カービングする様子を、外からじっくり拝見できる
貴重な機会となりました。

制限時間は2時間半。
全員の技量そしてチームワークがものをいう
団体戦は見ごたえたっぷりでした。
材料は自由。舞台設定もみなさん凝ってました。



白菜も花になるんですね。

私の同僚2人は、トルコ人との混合チーム。
あとで分かったんですが、写真真ん中のトルコの方とはイエス、ノー以外
言葉が通じず、ずっとゼスチャーでやり取りしていたそうです。
同じ職人同士、言葉は要らない・・・
みんな頑張れ〜〜!

立って彫る人、座って彫る人、イヤホン(音楽を聞きながら)する人
写真を見ながら作る人・・・様々でした。



時間の経過に伴い、各チーム次々作品が
仕上がっていきます。


こちらタイチームの作品。
参加者の3人は普段、ノルウェーなど各自
別々の国に住んでいて、この大会に合わせて
ロシアに集まったんだそうです。

?
?
どうやら完成した模様です。
すごくタイの色が出てますね〜。まさにタイカービング。
素晴らしい!!




各チーム制限時間に差し掛かり、続々と完成してきました。
綺麗です!
?
?
?
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ユジーニとアレックの参加したトルコチームも完成したようです。
おめでとう!お疲れ様でした^^
?




こちらは優勝したロシアチームの作品。
言葉にならない豪華さ、美しさです!



こちらもユニークな作品!
ウクライナのチームです。ダイナミックと繊細さを
併せ持つような、バランスのとれた作品でした。


閉会セレモニーのあと、談笑や記念撮影など
各々時間を過ごしました。
競技大会全日程はこうして終了。

寒い国での、熱い熱い4日間・・・・
最初はどうなることかと思いましたが
おかげさまで本当に勉強になりました。


ここまでずっと野菜彫刻一色でしたが、
最終日の夜は、街へ出ました。

英語が堪能で、浜崎あゆみの大ファンだという
とっても素敵なロシアの友人Mariaさんが
夕方のクレムリンを案内してくれました。

夜のライトに浮かぶ赤の広場。
重厚かつ綺麗でした。
地元の人のみぞ知る、橋の上からのおすすめビュー。
クレムリンの建造物と、交通渋滞のライトが
まるで絵画のように一体化していました。



夜、ライトアップされた世界遺産は、とても素晴らしく
まさに荘厳というにふさわしい景色。
赤の広場、聖ワシリイ大聖堂と寒さを忘れました。


そして、おそらく世界で最も有名なバレイの本場、
ボリショイ劇場は、たまたま運良く特別なライトアップが
施されるイベントを開催中だったらしく、
めまぐるしく変わるきらびやかなライトアップに
あちこちで歓声が上がっていました。





スイカに想いをこめたエリアナ・パヴロワさんもどこかで見てたかな。


そしてモスクワでの外食!
ロシア料理の食べられるレストラン、カフェへ行き、
Mariaさんによる地元育ちならではの、分かりやすい説明を
聞きながら、ロシア料理を堪能しました。

○Chiken Alya Kiev(チキンキエフ=チキンのカツ料理) (写真上)

○Grechka(グレッチカと言ったかな?)(写真下)
  そばで作られた粒状のものと、肉や野菜を炒めたピラフのような料理

○salad oli've  オリヴィエ・サラダ
小さくカットした野菜をゆでてマヨネーズで和えたもの。

どれも、ロシア伝統の料理だそうで、見た目は
あっさりな感じですが、すごく美味しかったです^^

オリヴィエ・サラダはカービング会場でも毎日選手に
供されていたので、いつか美奈吉でも作りたいと思います。




○ボルシチ   
ロシアで一番食べたかったのがこれです!
濃い赤はビーツの色。
この中にサワークリームを混ぜて食べます。
めちゃ美味しかったです^^





○Syrniki (写真下)
小麦粉と玉子などで練った記事を
丸く整えて、焼き上げ、様々なソースをかけてたべるそうです。

写真上のクレープは野菜を入れたり、はちみつを入れたり
ロシア版練乳を入れたり(sgushenkaというそうです)
おやつにも、おかずにもなりそう。



○ペリメニ
皮に包まれた中には肉が入っていて
蒸したり、ゆでたり、揚げたりと
様々な料理で応用できるそうで
日本で例えると、焼売や餃子のような感じ。

僕はスープでゆでたものをオーダしました。
なんと、これもサワークリームをかけて食べます。
え、合うん?と躊躇しますが
これがまたよく合いました!
この料理は空港の売店でも販売されていました。
○glintwine
温めたワインにフルーツがたっぷり入っていて
かなり熱く、おまけにストローで飲むので
ゆっくり飲まないと舌をやけどしそう!

日本でもある気がしますが、外が寒いだけに美味しかった!
ワインを飲んだあとグラスに残るフルーツは
食べても残してもいいそうです。
ワインで温まったあと、別れて帰路につきました。

野菜彫刻一点に賭けてやってきたロシアですが
まさかこんなに沢山の地元の料理を知り
夜のモスクワを散策し、ロシアを知ることができるとは
思ってもみませんでした。

Maria-san , Большое спасибо !!


到着した日はめちゃめちゃ緊張していた地下鉄の
高速エスカレーターも、聞きとりにくいアナウンスにも
いつの間にか慣れていました。

でもようやく慣れた頃・・・翌日には帰国。そういうものですね。

1日が3日、いえ5日分くらいに感じられた一日でした。


〜その10 食の見本市&モスクワ交通事情

今回のベジタブルカービングイベントは、ロシア最大級の食の見本市
「PIR」の会場内で開催されたのですが
各日それぞれの競技のあと、審査までの間
時間があったので
会場内の隅々を見て回ることができました。

そこで今回は、会場の様子をご紹介します。

会場はこちら。かなり大きい施設です。
ちなみに、ここにつながるメトロの駅は2、3年前に
建てられたのですが、その費用はこの会場を持つ会社が
出資したのだとか。



入口にはいってすぐ、写真のような魚のディスプレイが
お出迎え。水産会社でしょうか。
サメやカジキマグロ、シイラがどーんと飾られ、
盛りつけがダイナミックです!



巨大スクリーンでのプレゼンテーション。
ロシアの著名なシェフが次々登場して、実演を
していたようです。



カービングのほかにも、料理コンテストや
アメ細工やパン細工など、さまざまなコンテスト、イベントが
開かれていました。

こちらは料理コンテスト。
ロシアの料理ってどんなか想像つきませんでしたが
こうして見ると、フランスやスペインの流れを組み
発展しているようです。


たまに、料理番組をみていますと
料理を盛りつけるときの例えで
「お皿という名のキャンバスにシェフが盛りつける!!」と
いう表現が出てきますが
こちらは実際にキャンバスに盛り付けています。
な、なるほど・・・・・(゜ロ゜)



綺麗なアメ細工。


こちらも見るからにアメ細工。
豪華!!






こちらはコショウ(コーヒー豆だったかな?)など、香辛料だけで描かれた
作品のようです。すごいですね^^



こちらはマジパン細工。



ケーキ。
こちらは、(たしか)塩や砂糖を色付けして
書かれた絵のようでした。
(顔などは本当に絵で、その周りを塩などで作っていたようです。)
野菜アートもそうですが、料理アートも様々ですね。
?
さすが、キャビアの国!
チョウザメが泳いでいました。
しかしロシアでもキャビアは相当高価な、贅沢品です。


そして、こちらは・・・我等がジャパンパビリオン!
JETRO(日本貿易振興機構)が主催する日本の食を
世界にPRするブースがロシアにも!!
おいしい日本・・・これは心強い!



ブースには日本から参加された企業が商品のサンプルを
並べられ、日本の調味料やお酒をPRされていました。

また、ジャパンブースには特設ステージがあり、シェフの
デモンストレーション、そしてロシア在住料理人による
和食コンテストなどが開かれていました。

私は何度もおじゃましましたが、常に大盛況!
ロシアでは今、和食や寿司ブームだそうですが、
いつも大勢のお客さまでにぎわっていました。



そして、なんと・・・

通常、私たちの野菜カービングは競技が終わると
作った作品はすぐに翌日の準備のため
処分しなければいけないのですが、
ジャパンパビリオンのスタッフの皆さんにご相談したところ
私の作品を4日間通してパビリオンに飾って頂けるという
光栄な出来事が!



遠く日本から来て頑張っておられる方が
大勢おられる・・・日本人に生まれたありがたみをひしひし
感じました。

ジェトロスタッフのYさん、Mさん、
お話聞かせてくださった女川食品加工会社のKさま
そしてブース関係者の皆様
本当にありがとうございました!
いつかまた、どこかでお会いできますことを
願っております!

もうひとつ日本から参加されていた、寿司の機器を作られている
メーカーのブース。
シャリロボや回転寿司のレールが展示されていました。



番外編としてモスクワ交通事情。

〇ロシアの道路事情
インフラがまだ追いついていないのか、
どこも交通渋滞が目立ちました。
昼も、夜も・・・・。


そして道路のあちこち工事中で
街に駐車している車はどれも埃まみれでした。
まだまだモスクワは
これから変わっていきそうです。


あと、ロシアへ行く前はガイドブックなどを読んで、すこし
怖い国なんかな〜、というイメージがありましたが
全くそんなことなかったです。



〇ロシアの地下鉄事情
写真はメトロの駅で、空いてるのですが
駅によってかなり混んでいて、ラッシュ時はもう
すごい人・人・人です。
押し合いへしあいで、我先に乗客は電車内に
流れ込むように乗り込みます。

で、まだ体半分しか乗り込んでいなくても
電車のドアは容赦なく閉まります。すげ〜〜っ!


日本のように駅員さんが乗客を誘導するなど
あるはずもなく・・・
この国ではある意味、なんでも自己責任なんや、という
側面を感じました。


〜その11 おわりに


ロシア滞在最後の朝。
ホテルの部屋からの景色です。
ロシアは古い建物、新しい建物がごっちゃになっていて
これからまだまだ変っていきそうです。



朝は、友人ユジーニの携帯から流れる
アラーム替わりの?大音量の
what a wonderful world で目覚めました。

部屋で深夜にカービング練習しているときも
彼らは大音量で新旧ロシア語の音楽を始め
洋楽はエルトン・ジョンなどを聴いていて
言語分け隔てなく、いいものは良い!
そんな感じです。
日本人と似てますよね。


朝、3人で最寄駅近くにある
カフェへ朝食を食べに行きました。

ここはめっちゃ綺麗なお店でした!

セルフ方式で好きなものをトレーに載せていきます。

私の選んだのはこちらの品々。
ジュースが面白いのですが
豆類がたくさん入っていて、めっちゃ甘い!
残った豆は食べても残してもいいそうです。

手前のクレープ状のものにはバナナが入っていて
奥のものにはハムとホワイトソース、という感じでした。
サラダは日本のとほぼ同じ感じです。



僕の特技、とでも申しますか、 海外へ行っても
「日本食が恋しい!!」と思ったことは一度もなく、
食事では困ったことがないのです。
どれも美味しかった〜^^


食事の後、彼らは買い物へ、私は部屋にもどり
チェックアウトをするということで
最後のお別れの挨拶・・・・・・

彼らがいなかったら、とても孤独なロシア滞在になっていたと思います。

僕よりも一回り以上若い彼らが、今の僕の歳に
なる頃にはどういう進化を遂げているのでしょう・・・
楽しみで仕方ありません!






名残惜しかったですが、
「またどこかの大会で必ず会おう」、と
思い切りハグ、握手、ロシア流ハイタッチして分かれました。
彼らと過ごした時間は、ずっと忘れないと思います。
二人と別れ、一人でホテルに戻り
帰り支度をしてテーブルを見ると、
モスクワでの最初の夜、アレックが僕の名前を彫ってくれた
かぼちゃプレートが目に入りました。


僕はその横にあった、彫りかけのかぼちゃに彼らの名前を彫り、
部屋をあとにし、チェックアウトしました。


帰りの飛行機ではぐっすり寝たのか、これまでで記憶にないくらい
あっという間に北京に到着。
飛行機を降り、その場でバスに乗り、ターミナルへ移動し
大阪行きの便へ乗り換え。






そして関空へと無事到着しました。
中国国際航空(air china)の皆さん、安全な旅をありがとう。



これまで知り合い支えてくださった
多くの皆様のおかげで、無事に行って、
帰ることができました。

何かをつかめるかもしれない、と自分なりに覚悟をもって
挑んだロシア遠征でしたが
より人生の謎が深くなってしまった(汗)気がします。

しかし、確実にわかったこともあります。

自分のあらゆる点での勉強不足を、思い知ったこと、
良い体調のまま、精一杯全力を尽くせたこと(その気になればまだまだやれる!)、
自分は本当に野菜アートが好きなんやと再確認したこと。
そして、ロシアには素晴らしい人々がいたこと、です。
審査員の代表の方には「もっと自分自身を主張しなさい」
「作品を通して、君自身の姿を見せなさい」とのアドバイスを頂戴しました。
ウォーリーを・・・じゃない、オキを探せ(笑)?
写真のおふたりはご夫婦で、奥様は素晴らしい作品を作られ
旦那さんはいつも笑顔で撮影されて、めちゃ素敵なご夫妻でした。
言葉は全く通じませんが、毎朝旦那さんと顔を合わすとにっこり
挨拶してくれて、最終日写真をお願いしたら
「え?お、おれでいいの?」と喜んで応じてくれました。
大会参加前から丁寧にメール対応してくれた
運営スタッフのダリアさん。
今回のロシア訪問は、彼女のメールだけが頼りでした。
?
沢山の国の参加者を個別対応・・すごい人やと思います。
トルコのご両人とウクライナの女性。?
初日の競技で隣り合わせた方。
いつも笑顔で挨拶してくれました。
Maria said, "I don't want to survive, I want to live!"
You have a heart and soul!
ユジーニは彼のブログで私のことを書いてくれていました。спасибо!
Карвинг по Русски


以上で旅の日記を終ります。
長々と綴ってしまい申し訳ありません!
読んでくださった皆様、ありがとうございました。

寿司屋のブログにお寿司の話が全く出てこない
この状態も終了します(笑)

今回このような旅の機会をいただけた事に、
家族、友人をはじめお世話になっている皆さん
そしてお客さま・・・
すべての皆様に感謝しております。

体験して得た事を今後の料理に、
野菜アートにも役立てて行きたいと思います。

これから先、どれくらいの期間できるのか
わかりませんが、お世話になった皆様に感謝を絶対忘れずに・・
とにかく行けるところまで前に進みたいと思います!

何卒、今後ともよろしくお願い致します。



ロシアへの道〜終


最後まで読んでくださった方へ。本当にありがとうございました!