京都 〜加茂茄子の里を訪ねて〜

昨年あたりから、料理関係の雑誌を読んでいるうちに京野菜に
興味を持つようになり、ここ最近は特に加茂茄子が気になる存在でした。

そこで、百貨店の野菜売り場で実際に加茂茄子を手にとってみたところ
ほぼまん丸な形で、ずっしりと重く、値段も大きなものは一個
5〜600円と、質も値段も普段目にする「なすび」とかなり違うな〜という印象。

その後も本屋やネットで色々調べているうち
どんな風に栽培されているのか、どんな味なのか
栽培風景を見てみたいなと思っていました。そんな矢先
たびたびHPに登場してもらっている(勝手に書いてるんですが)
嫁さんの妹・ともちゃんの知り合いで、農場で働いている方がいるということを
聞いたのです。
「この前行ってきたんですよ〜」とのことで、これは絶妙なタイミング!
今行かずして、いつ行くか!という訳で、智ちゃんにお願いして
農場の方と連絡をとってもらい、見学に行ってきました。

京都府は京北町というところにある「京都ファーム」さんという農場です。
京都市内からは162号線を北へ、山を越え曲がりくねった道をしばらく
走ったところにあります。

こちらでは色んな野菜を作られているのですが
今回は智ちゃんのご友人の井坂さんが、加茂茄子を栽培している
屋外やハウスへと案内してくださいました。

畑に着くと茄子の葉っぱの上には、沢山のかえるがいました。
かえるは害虫を食べてしまうそうで、農薬もほとんどまかずに済むとか。
なるほど!
                    
かえるたちは、とってもきれいな緑色をしていました。風景に溶け込んでいる感じ。
うちのそうちゃんはカエルと言えば、駅の薬局の前にある人形や、地下鉄の駅に
ある新聞回収ボックスしか見たことがないので、小さなうごくカエルを見て
かなり警戒の色を濃くしていたようです(笑)。

これが加茂茄子です。ところでナスは英語名でegg-plant(エッグプラント)と
いいます。直訳すれば「卵植物」でしょうか・・。
以前から「なんでこんな長い形やのに卵やねん(・へ・;)うーーん・・・。」と疑問に
思っていたのですが、この、枝に生っていた茄子を見た瞬間、直感的に
長らく抱いていた謎が解けました。
egg-plantと命名した人は、きっと加茂茄子のような丸い形のナスをみて
名づけたのだということを!!

収穫された茄子は丁寧に、人の手で一個ずつ品定めされ、サイズ別に
分類後、箱の中に詰められて出荷されます。
近くのお店なら、スタッフの方が直接配送されるそうですよ。

帰宅する際、形のきれいなものや、少しいびつな物など
いろんなサイズのものを売って頂き、家で料理を作ってみましたが
茄子そのものの味がよいので、揚げても、焼いても、煮ても美味しかったです!
おそらく身がとても詰まっているので、茄子そのものの味も濃厚で、そのためか
どの調理法にしても味がよく乗るんですね。

京都ファームさんでは他にもいろんな野菜やお米などを作っておられるんですが
今回は私ども、茄子とともに玉ねぎを頂いてきました。
この玉葱もとても甘みがあり、美味でした。
真っ先に作ってみたのが、玉葱をあめ色になるまでじっくり炒め甘みを
引き出すことで味わう、オニオングラタンスープです。
作り方は至ってシンプル、スライスした玉ねぎを焦げないように
根気よく、あめ色になるまでじっくり炒めます。そこに

収穫後の玉葱

オニオングラタン

本来、加えるのはコンソメスープなのですが、あいにくうちでは
作れないので、鰹と昆布でとっただしで代用してみました。
スープの上にパンを浮かべチーズをのせ、オーブントースターへいれ
焼き上げます。
だしを使ったことにより、玉葱の甘みがよりストレートに出て、とても美味でした!

ところで農園にお邪魔する前に、京野菜のことをすこし調べたのですが
その歴史は古く、平安時代の農家の人達が宮廷料理や精進料理に使うために
試行錯誤を繰り返し、作り出した野菜だそうです。

う〜む、この進化の仕方が、フランス料理の歴史に似ていて興味深いです・・。
というのはもともとフランス料理も、中世の王侯貴族たちの生活を華やかに
彩るために確立されていった経緯があるんですね。
こんなところに共通点が見出せて、より身近に感じました。

そこのところを考えると、お寿司はその歴史とは対照的です。
握りに代表される江戸前のお寿司はと言えば、江戸の前の海で採れた魚を
屋台で握って出されたのがはじまりです。 でもそのスタイルになるまでには
飯の上に魚を置く関西の箱寿司、またさらにさかのぼり
フナずしなどの熟れずし(保存食)、その前の原型は中国や東南アジアから来たと
いう話です。ちょっと話がそれましたが・・

どこの国でも、はじめに人ありき、そしてそこに食材があり
その土地柄に反映された料理が生まれ、改良されてきたのだということですね。

そして現在もなお、その野菜を工夫、改良しながら
生産されている農家の方達に脱帽です!

私どもの住んでいる門真市はレンコンという、素晴らしい食材がありますが
今後も足を伸ばして、色んな食材、景色を見に行きたいと思います!

次回の更新は・・・・未定です!・(o ><)oドテッ